interview
私たちの挑戦
新たな市場への挑戦・主要拠点でのマネジメントに挑む
田邊工業の今と未来をつくる、第一線で働く二人に、
今の仕事とチーム、そして挑戦について伺いました。

新たな市場への挑戦
ガス営業部 新規営業チーム 係長
Y.KODA
現場から経営管理まで。
各部署で学んだ経験から手を挙げた新規営業チームで「農業プロジェクト」など新たな販路獲得や地元への貢献活動を手掛けるKODAさんにお話を伺いました。
法人向け営業・経営管理部での
経験後、営業の要、
新規営業チームへ
今の所属と配属の経緯を教えてください
2022年より佐野工場の新規営業チームでサブリーダーとして中長期的な営業戦略の立案と実行をしています。
入社後、最初に配属されたのは佐野工場の技術課でした。社内でも最大の拠点である佐野工場技術課の仕事は、工場の管理・運営、お客様の設備のメンテナンス・新築・改築などを行う部署で、ガスを製造(充填)するところからお客様が使用するところまで一連の流れを学ぶことができました。
その後、相模工場で法人向け(産業ガス)の営業、本社経営管理部で経営管理データの集計・分析や新設されたデジタルイノベーションを担う部署での業務改善・業務改革のプロジェクトに携わりました。
様々な業務改革がある中で、営業面の改革として佐野工場にあった新規営業チームを中長期営業戦略の立案・実行をしていく部署として新体制に立て直すことになりました。現状の課題を整理した上で、社員の皆様の協力を得ながら営業戦略を立案しました。そのチームのサブリーダーとして抜擢され、自身も営業の仕組みづくりへの興味があった為、希望が合致し、現在のチームに配属されました。
新規営業チームとはどんな活動をしているのですか?
新規営業チームでは「田邊工業の営業の仕組みづくり」をしています。
中長期的な営業戦略を立て、5 年後・10 年後に勝ち組として業界にいるために、3 年後・4 年後の市場に向けたアプローチなど、継続的にお客様を獲得していく仕組みづくりを使命に、複数のプロジェクトを立ち上げ、日々トライ&エラーを繰り返しています。
高いハードルと熱い思い「農業プロジェクト」
新規営業チームでの取り組みを教えてください
チームとしてのチャレンジは、今まで手薄だった中長期的な新規営業の実施と各種広告宣伝活動コミュニケーションツールをフル活用した情報共有や対応の迅速化です。

中でも、私が今、一番面白いと感じているチャレンジは農業プロジェクトです。
新規営業チームが新体制になる際に、各工場へ行き、多くのスタッフにヒヤリングを行いました。今感じていることや、何か新しい営業活動の切り口はないかと現場で働く人たちならではの視点を聞きに行ったんですね。香取工場に行った時、工場長から「ここら辺にはピーマン農家のビニールハウスがたくさんあり、重油タンク多数を設置している。これが全部ガスに変わったらすごい市場になるのではないか」というアイディアを貰ったんです。
ピーマンのビニールハウスでは専用の暖房機器を使用していて、その燃料に重油を使っているんですよね。ピーマン農園の多い地域、日本一の生産地である茨城県神栖市などは、そこら中に本当にすごい数の重油タンクが設置されているんです。
なので、その話を聞いた時、「いや、それいいな」って思いました。「やってみたい」と。
「燃料の将来性」としては「ガス>重油」なわけですから。(詳しい説明は長くなるので割愛します。)
ガス業界では「燃料転換」というものに当たるのですが、とにかく初めての試みで0からのスタート。
まずは現地の農家様からお話を伺い、どういった需要があるのかを調査、同時に全体的な市場を調査・試算し、取締役会議に営業戦略の議案を提出、承認をいただきました。
実際にプロジェクトが立ち上がっていかがですか?
今、ようやっと実績を積み重ねられそうな算段がついたのですが、実は何度もくじけそうな場面はありました。なんとか攻略の糸口はないか?と悩み、様々な角度で戦略を再検討し、最近は農家の方やJA(農協)とも良好な関係ができてきていると感じています。
くじけそうな場面、というのを詳しく聞いてもいいですか?
はい。ピーマンの日本一の生産地である茨城県神栖市で、各所のビニールハウスにお伺いして、とにかく教えてくださいと農家様のお話を聞きつつ、色々なご提案をさせて頂きました。
その中で、ある1件の農家様が「トライアル契約」を締結し、モデルケースとして協力してくれることになりました。
弊社が提案していた「光合成促進機」という機械を試しに使ってみて、その効果などをフィードバックしてくれることになったんです。

光合成促進機というのはその名の通り光合成を促進する機械で、燃料を燃やして出たCO2を作物に施用するというものです。今までこの燃料には「灯油」が主に利用されていましたが、弊社からは「ガス仕様」を提案しました。
その農家様には満足いただいていたものの、なかなか次の1件に繋がりませんでした。
そんな中紹介頂いた1件の農家様と度重なる交渉を重ね、その結果、ぜひお願いしますとご連絡をいただいたんです。
やった、これで繋がった!と思いましたが、ここに至るまで紆余曲折あったので、「文面」にて意思表示をしてほしいとお願いし、これも対応いただきました。
だがしかし、1カ月たたないくらいですかね、「やっぱりキャンセルしたい」と言われたんです。
びっくりですよね。
農家様は多くの方が補助金を活用しているのですが、その一部がおりなくなってしまったというのが原因でした。
心が折れそうになった瞬間でしたね。
ガスと農業って実はとても相性が良くて、暖房の燃料としてだけでなく、CO2 を発生させて作物の光合成を促進することもできる。また、現在は国から重油や灯油に対して補助金が支給されていますが、これらはいずれなくなると言われています。こうなったらもう「ガスしかない」と思っています。
しかも弊社であれば「工場直売」でガスを販売できるので、くじけずに自信をもってオススメしています。
現在はどんな状況ですか?
今はまた違う方面からもアプローチを始め、4、5件のピーマン農家様とお話を進めています。
弊社が提案している機器をJAと自治体が運営している補助事業の対象にできる可能性も出てきています。こうなればイニシャルコストを低減することができるので、加速度的にシェアが広がると考えています。
そのほかにも自身が在籍している栃木県佐野市近くの群馬県館林市にてキュウリ農家様の方々とも情報交換を行っています。若手キュウリ農家様が集まる「最先端農業の研究会」にも参加させていだたいており、実は既に1件、弊社のガスを使ってくれると言ってくれている農家様もいます。
このプロジェクトが広がりつつありますよね。
他の活動としては、栃木SC(J2のサッカーチーム)のスポンサーに今年からなりました。これは佐野工場若手社員の意見を会社にあげて、体現した形ですね。こういった活動も今後広げていけたらと考えています。
5年後・10年後の田邊工業の未来

今、自ら考え、提案した中長期戦略を実行していくことにやりがいを感じていますが、悩んだ時や一歩踏み出したい時、社員行動指針の「私たちは自ら考え、進んで行動します。」の一文が私の活動を後押ししてくれていると感じます。
新規営業チームでは、常に5年後10年後の未来を意識しながら、新しいプロジェクトに積極的に取り組んでいます。
田邊工業には参考になる先輩方がたくさんいらっしゃいます。
その皆さんの活動を参考にしながら新しいことにどんどんチャレンジし、今後はガス事業並びにそれに関連する事業、そして さらに進化した新しいビジネスモデルを見つけ開拓し、田邊工業の未来の柱に育てられればと考えています。
個人的な目標は「5年以内に役員就任」です。

安全と安心の土台を
築く、縁の下の力持ち
災害対策本部 主任
Y.ARAI
定期刊行物の発行、備蓄品の管理、車両の運用調整、アルコールチェックやドライブレコーダーの確認まで非常時に備えた災害対策と、日々の安全管理の両輪を担うARAIさんに仕事への思いを伺いました。
今の所属と仕事内容について教えてください
私は現在、「災害対策本部」に所属しています。主な業務は、災害発生時に備えた備蓄品の管理と、災害時の対応体制の構築です。
また、それに加えて全社の車両管理業務も担っており、いわば“もしも”のときに備えて会社のインフラを支えるような仕事をしています。
災害対策本部は、以前までは1年ごとに担当者が交代する体制で運営されていました。そのため、前任者からの引き継ぎが曖昧になったり、せっかく積み重ねた知識やノウハウが継承されなかったりと、業務の継続性に課題がありました。
私が着任したタイミングから専任担当という形が整い、部署の役割そのものが少しずつ見直されていったように思います。
専任になったからこそ、日々の業務に対する責任感も強く感じますし、担当者として「自分がこの会社の安全を守っている」という実感を持ちながら働けているのは、大きなやりがいの一つです。
これまでのキャリアについて教えてください
入社後、最初に配属されたのは不動産管理の部署でした。ガス会社に入社したので、てっきりガスの供給や保守のような業務に関わると思っていたのですが、まさか最初の現場が不動産とは(笑)。でもそこで学んだ資産管理や契約の知識は、今の車両管理にもつながっていますし、どんな仕事にも無駄はないんだと気づかせてくれた経験でした。
その後もいくつかの部署を経験し、会社全体の業務の流れや、各部署がどのように連携しているのかが少しずつ見えてきました。
今振り返ると、この多様な経験が、災害対策本部という全社横断的な役割に就くうえで、大きな財産になっていると感じています。

災害対策本部での具体的な取り組みを教えてください
災害対策の仕事は、大きく分けて「備え」と「伝える」の2つの軸で動いています。
「備え」の部分では、備蓄品や非常食、水、簡易トイレなどの管理を行っています。社内の人事異動や組織変更などで必要な数が変動するので、常に最新の社員数に合わせて在庫を調整しています。「万が一」のときに、「実は足りていませんでした」では済まされない業務なので、見えないところでの責任は大きいです。
もうひとつの「伝える」部分では、社内向けに毎月発行している災害対策に関する定期刊行物の編集を担当しています。これは社内報のようなもので、企画からレイアウト、文章の作成までを中心となって進めています。
内容は、例えば夏場には熱中症対策、秋には防災訓練の案内、長期連休前には連絡体制の確認など、季節やタイミングに合わせたトピックを選定しています。
毎月内容を考えるのはなかなか大変で、「今回はどんなテーマにしようか」と頭を悩ませることも多いです。でも、発行後に他部署の方から「今回の号、わかりやすかったよ」「あれ、うちの掲示板に貼っておいたよ」と声をかけてもらえると、自分の仕事が社内の安心につながっているんだな、と実感できます。
目立たないけれど、縁の下の力持ちとしての誇りを持ってやっています。

車両管理の業務についても教えてください
もう一つの業務である車両管理では、どの事業所に何台の車を配置するかを調整したり、リース会社との契約や書類手続きなどを行っています。営業車の手配が多いので、現場の状況をきちんとヒアリングしながら最適な運用方法を模索しています。
日々の業務としては、毎朝のアルコールチェックの確認から始まります。社員の安全運転のために欠かせない業務で、チェックが通らなかった場合は速やかに報告し、対応を行います。
また、ドライブレコーダーの映像も確認し、危険な運転がないかをチェックしています。こうした日々の積み重ねが事故の未然防止につながっていると信じて、地道に取り組んでいます。
実は、こうした安全運転の啓発に関する資料も定期的に発行していて、事故が起きた事例などをもとに「どうすれば防げたか」「どんな点に注意すべきか」を社員全体に共有しています。
数字では見えないけれど、会社の安心・安全を守るという意味では、災害対策と同じくらい重要な業務だと思っています。
オフの過ごし方・趣味などについても教えてください
お昼は基本的に自分で作ったお弁当を持参しています。仕事中は集中して業務に取り組み、アフター5は有意義に過ごしています。
趣味は少し変わっているかもしれませんが、学生時代からお能をやっていて、社会人になってからは居合道を始めました。
いわゆる“侍の所作”に惹かれていて、姿勢や呼吸、礼儀作法のひとつひとつに美しさを感じています。稽古を通じて心を整える時間が、自分にとってとても大切です。
業務上の課題や、今後挑戦したいことはありますか?
今の一番の悩みは、「災害マニュアルをどうやって事業所にしっかり浸透させるか」という点です。
ただマニュアルを作って配布するだけでは、読まれなかったり、実際の行動に反映されなかったりします。「読んだ人がどう行動するか」「非常時にちゃんと使えるか」という視点での工夫がまだまだ必要だと感じています。
今後は、もっとガスという事業の“本丸”に近いところで、知識と経験を積んでいきたいという思いもあります。
これまではどちらかというと間接部門でのサポート的な役割が多かったのですが、ガスの安全性や供給の仕組みを深く理解し、より広い視野で会社を支えていける人材になりたいと考えています。
田邊工業の魅力をひとことで言うと?

「放っておかない会社」です。困っているときや悩んでいるとき、必ず誰かが気づいて声をかけてくれる。
それは上司だけでなく、先輩や同僚も含めて、皆が自然にそういう行動をしているんです。良い意味で干渉してくれる(笑)、あたたかい職場だと思います。
まわりが気にかけてくれるからこそ、自分も他人の変化に気づけるようになりましたし、お互いに支え合える文化が根づいているのが、田邊工業の一番の魅力だと思います。